手技だけじゃない
アロマ、リフレの「心のアプローチ」
ボディワークセラピストのカウンセリング
従来、心の病へのアプローチは、精神科医や臨床心理士、心理カウンセラーが担う分野であり、アロマセラピストやリフレクソロジストなど、手技を中心とするボディワークセラピストが、その領域に足を踏み入れることは良しとされていませんでした。しかし、ここ数年の社会背景の中でボディワークセラピストが増え始め、セラピールームに訪れるクライアントたちが、メンタルケアを望むケースが急増しています。今、ボディワークセラピストたちは、過渡期に立たされているのかも知れません。本来の、クライアントの自然治癒力を高める役割の中に、心のケアの比重が増してきているのです。
今回紹介するアロマセラピストやリフレクソロジストたちは、ある時期からメンタルケアの重要性に気づき、その分野を学び、真摯に向き合っている人たちばかりです。これからセラピストを目指す人も、すでに活動している人も、心のケアの専門領域“カウンセリング”を、もう一度見つめなおす時がきているのです。

Introduction
ガイダンス」と「心理療法」ボディワーカーに求められるふたつのカウンセリング
西洋医学のクリニックでありながらホリスティック医学を理念とし、20名を越えるカウンセラーやアロマセラピストが勤務している赤坂溜池クリニック。医師・セラピストが手を組んだ、チーム医療の雛形ともいえるクリニックでは、併設しているホリスティックヘルス情報室と連携し、患者さんのためのケアと勉強会が盛んに行われています。
日頃、スタッフの間で徹底されている、ボディワークセラピストに必要なカウンセリングについて、降矢英成院長が解説します。

Lesson1
“ガイダンスとしてのカウンセリング”非医療従事者ならではの「カウンセリング力」の深め方
オフィス、ホテル、病院、自宅などの出張施術を中心に活動している、アロマセラピスト・久保木み規さん。その業務形態から、常に臨機応変な対応が求められ、施術の数だけセラピストとしての引き出しが蓄積されているようです。
明るく、朗らかで、まるで下町に住む隣のお姉さんのような佇まいは、「カウンセリング力」を深める努力なしにはありえないでしょう。そのコンサルテーションからは、クライアントを健康に導くためのヒントが、沢山詰まっていました。

Lesson2
“心理療法としてのカウンセリング”クライアントを受けとめる「器」をつくる心理学の知恵
ボディワークセラピーがホリスティックなセラピーであるためには、クライアントとの関わりの中で、施術以外のやりとりを重要視する必要があることは言うまでもありません。しかしながら、会話を交わしたり、非言語的な交流の際に不可欠な術を身につける試みは、あまりされていないのではないでしょうか。
岸原千雅子さんは、アロマセラピストでありながら、現在、臨床心理学を学んでいます。そこでは、セラピストとクライアント、双方の安全性を確保するための、より高度なホリスティック・ケアが行われていました。

Lesson3
心理手法に精油が融合して生まれた「アロマ心理セラピー」
現在、日本で心理コースを設けているアロマセラピスト養成スクールは、ほとんどないようです。セリスト・スクール代表、高橋克郎氏は、アメリカ在住時に数多くの心理療法を学んだ経験をもち、海外のセラピー事情に精通していますが、近年の日本のストレス社会に心のセラピーの必要性を感じ、一昨年よりアロマ心理セラピーコースを開校しました。やさしく自然に誰でも実践できるセラピーを提唱する高橋氏に、従来のトリートメントにこだわらない新しいアロマ心理カウンセリングが生まれた経緯と、癒しとカウンセリングの根底にある「本質」について伺います。

Lesson4
ボディワークセラピスト・カウンセリングQ&A
急増する心の病を抱えたクライアントをケアするには、手技によるセラピーだけでは、何かが足りないのではないか――臨床の場で働くボディワークセラピストから、このような声が度々聞かれるようになりました。
そこで、実際にボディワークセラピーを施している方たちの生の声をお届けするために4人のセラピストにお集まりいただきました。取材は座談会形式で行いましたが、「クライアントとの関係性の中で起きた悩めるケース」を各セラピストに語っていただき、それぞれについて、心理カウンセラー浮世満理子さんが答える構成としています。
浮世さんは、カウンセリングの実像が、日本でほとんど知られていない頃、民間の心理カウンセラーとして活動しはじめました。また、心理カウンセラーであると同時に、インナーリライフと呼ばれる、スキンシップを応用した独自のリラクゼーション技法を創始し、クライアントの心にアプローチするボディワーカーとして、阪神大震災後の被災地でも心のケアを行ってきました。こうした経験をもとに、4人のセラピストが抱えるメンタルケアの悩みに対し、的確な答えを提示します。