特集 体錬、技術、内勁……
今、合気はここまで分かっている! 合気探求
最前線!
合気。
力づくでなく一瞬にして相手を崩してしまう、日本武術が到達した一つの究極技。
最近では大東流や合気道に限らず、さまざまな武術でその究極技の理が求められるようになってきている。
もはや武術全体に通用するスタンダード・ファクターと言っても決して過言ではないだろう。
しかし、そのメカニズムは未だ明確に定義されず、謎めいたベールをまとったまま、というのが実は現状だ。
合気の難しさは、非常にTパーソナルUで見えない部分への深化を遂げている所にある。

本特集の目的は、その見えない部分を明らかにする事だ。
TパーソナルUで見えない深化を遂げて来た合気を解明するために必要なものは、何よりT多角的Uな分析だろう。
今回は今までより一層バラエティに富んだ布陣、そして新たな観点をもって解明に臨んだ。
T合気Uそのものを追究する流儀にない中島章夫師範、
渡辺正彦師範にご協力をお願いしたのも、その意味で大正解だったと断言する。
2012年という今だからこそ、見えて来た部分もある。
だからこそ「最前線」とタイトルに銘打たせていただいた。
その言葉の裏にはもちろん、本特集が史上最もT合気Uに近付いた文献であるという、自負もある。

ご登場いただく、さまざまな流儀の先生方。その技を見ているだけで十分、という方も少なくないだろう。
それほどに武術家として魅力的な方々だ。しかし、本特集は決して達人博覧会ではない。
あなたというTパーソナルUが合気に近付くための現時点、唯一無二の手掛かりなのだ。

特集 第一部

半身動作研究
中島章夫

松聲館術理で解く
皮膚感覚に 合気の秘密あり!?

特集最初にご紹介するのは、半身動作研究会の中島章夫師範だ。
甲野善紀師範が主宰する松聲館で多年にわたり学び、その教えをさらに精査・発展させ、より多くの人に分かりやすく伝えられている。
今回ここでは、特にお願いし「合気」と呼ばれるもので起きる現象を、松聲館術語でいうT臨界圧力UとT筋肉のセンサーモードUで再現、解説を頂いた。合気を読み解く入り口の一つがそこに見えてきた。
特集 第二部

日本武術鍛錬会
渡辺正彦

使うは反力と脱力
合気の秘密は
ガマクとチンクチにあり

本誌でもこれまで何度も特集テーマとされてきたT合気U。何度取材をしても百家争鳴の感があり、常に新しい発見がある興味深い取材テーマと言える。
今回本誌初登場の渡辺正彦師範もその一人。「合気とは重力の反力とガマク」と言われる。そこでここでは、その理論と人物に迫ってみた。合気の秘密とともに武術を学び解く姿が見えてくる。
特集 第三部

養神館合気道龍
安藤毎夫

植芝盛平・塩田剛三が示唆し、体現した
真空の合気Uを求めて

本誌ではすでにお馴染みの、合気道養神館本部道場主席師範、養神館合気道龍代表の安藤毎夫師範が、合気道におけるT合気Uの秘密に迫る。
開祖植芝盛平翁が語り、養神館合気道創始者塩田剛三が体現して見せたというそれは、対手を吸い込むがごとく、気の流れを技法に活かす「真空の気」の活用。
果たして、T真空の合気Uの実体とは?
特集 第四部

欧州合気柔術逆手道
倉部誠

誰でも合気を体現し得る養成法
他動的合気術のススメ

本誌シリーズ連載「欧州日本武術事情」でお馴染みの倉部誠師範が開眼し、欧州の合気道家たちに新風を巻き起こしているという「合気術」。その個性的な養成法は、言わば「他動的合気」とでも呼べるだろうか。合気で体現される不可思議な効果を、盲点とも言える単純な稽古法で実現した、その「逆転の発想」に触れてみたい。
特集 第五部

大東流合気武道 本部長
石橋義久

筋電測定で分析!
かけられる側に
何が起きているのか?

合気の本質を解くカギはTかけられる側に何が起きているかUにこそある!特集最終部の本稿では、大東流合気武道 石橋義久師範にご協力いただきTかけられる側Uの身体の筋電測定を試みた。
一体何を、どこに効かされているのか?
なぜ力づくでなくして相手が崩れてしまうのか?
ついにその核心に迫る!
太極拳無形塾・池田秀幸師範が体現する
戦うことができる太極拳の理合

太極拳が太極拳として、
実際に“戦う”ためには何が必要なのか?

この命題に今回ひとつの解答を与えてくれるのが、
陳式太極拳を長年研鑽、指導され、
太極拳無形塾を主宰する池田秀幸師範だ。

王宗岳の著した『太極拳経』に記される
「走・粘」の意味とは?
太極拳の速さを生み出す
「位置取り」の理合を体現する。
ロシアン武術システマ シニアインストラクター
ヴラディミア・ヴァシリエフ
東京&トロント Wセミナー&インタビュー

昨年の国内初となる『システマ入門』(弊社刊)の発刊以来、その呼吸により心身をコントロールするメソッドが注目され、武術ファン以外にも急速に注目を集めつつあるロシアン武術システマ。

今回は去る10月29・30日にシステマジャパン主催で行われたシステマシニアインストラクター・ヴラディミア師のセミナーの模様とロングインタビューに加え、11月にトロントで行われたCLOTHING AS A WEAPON SEMINAR(服を武器化する)の模様を、本誌でもお馴染みの北川貴英氏(システマ東京)にレポートして頂いた。

システマが秘めたる深い精神性と、服をも武器にしてしまう千変万化の実戦性の一端が明かされる。
明治神宮例大祭奉納演武
光輪洞合気道
今いまを去ること65年、光輪洞合気道は静岡の地で静かに産声を上げた。

創始者・平井稔翁は、剣術、竹内流、起倒流など様々な古流柔術を修め、それらを基に、極めて実戦的な武術の根幹となる体捌きの術を制定、その優秀さから戦前は陸軍憲兵隊の教官を戦後は全日本警察官逮捕術制定にあたり専門委員を務めたという。

時代を超え、格闘術の最前線で注目され続ける光輪洞の“合気道”。

平井翁が求めた“円転無窮”の極みが、ここにある。