2010年 3月12日(金) 遠藤(弟)の部屋

 ネタとしてはやや古いが、フロックを出したら「反省してまーす」と言うのが最近のお気に入りである。もちろん一緒に笑ってくれる相手とのゲームに限るが。

 フロックは面白い。ポケットにせよキャロムにせよ、フロックは球撞きを単なるゲームにとどめず、人生を思わせる味わい深い営みに昇華させてくれる存在である。そりゃ以前はフロックを出されれば腹も立ったりしたものである。「フロックもまたその人の実力の一部であり、ゲームの流れの一部である」という上級者の言葉は、頭ではわかっていたつもりだが、体感的には全く納得してなかっ た。しかし最近になって、フロックを「ナイスショット」と置き換えることで、どうやら視野がひらけたようである。僕レベルで言えば、ナイスショットはそれこそフロックのようなものである。もう一度やれと言われてそう出来るものではない。結局のところ、フロックを出してもそこからつなげられる人とそうでない人がいるわけであり、あるいはここ一番というところでフロックが出て、ゲームの流れを一気に引き寄せられる人もいれば、逆に調子を狂わせて自滅していく人もいるわけである。僕などは、ナイスショットを決めてしまうと、すっかり良い気分になって自滅することが非常に多いので、フロック=ナイスショットと考えるようになってから、ずいぶん気持ちが楽になった(と思う)。

 3Cについて言えば、フロックは圧倒的に出会い系が多い(僕の体感による)。何しろ「穴の無いテーブル」だから、そりゃ出会い球は避けられないわな。とにかくこのパターンのフロックは、最高に面白い。球に意思があって、プレイヤーをからかっているのではないかというのを幾つも観たものである。
 もう一つは、先球を空振りした結果として、奇想天外な空クッション取りになってしまったというパターン。ロバート・バーン著『ビリヤード・アドバンスブック』の92頁にその一例が出ているが、この手のフロックは斬新な取り方を見出すヒントになると言える。棋士が、素人将棋の危なっかしいやり取りから好手を思いつくがごとし。フロックは、理屈だけでは編み出せない奇策をいきなりどかーんと見せてくれる最高のショットなのである。

 先日の2段戦でも、ところどころでフロックが見受けられたが、出した方も出された方も実にスマートに振る舞っていた。僕より若い選手がほとんどだったが、僕が彼らの年代の時、あんなにスマートに対応できていただろうかと、少しへこんだ程である。

 へこんだと言えば、2段戦について記した前回の日記で、他の選手の批判を書くのはいかんと2ちゃんねるで指摘されていた。なるほどと思い、いささかへこんだので編集部に該当部分の削除を依頼した次第である。

 ちなみに2段戦であるが、14日の日曜は出勤になっていた。ある意味予選落ちは正解だったのかも知れないと、負け惜しみを言っておく。