昨日の『全関東スリークッション選手権』は森陽一郎プロが優勝。でもって、準優勝が肥田緒里恵プロ。快挙である。
緒里恵プロの活躍を、帰ってアミーゴの常連に話したところ、「レディースハンデあったのか?」と聞かれたが、いやいや30点スクラッチである。それで堀家聰臣・水内誠二・小野寺健容を撃破してベスト4入りだてんだから、全く凄い話である。
準決勝、肥田緒里恵に対するは島田暁夫。正直、島田プロには勝てないだろうと思って観戦していたが、8キュー表に7対6から緒里恵プロが10点ハイランをマーク。これで17対6とすると、会場も静かに静かにざわめき始めた。島田プロが、黙って水をあけられる筈もなく、ゲームはまこと息詰まる接戦に。そして肥田緒里恵のスリーモアで迎えた23キュー目。時まさに、19時56分。東海道南方沖の地下340Hを震源とするマグニチュード6.9の地震は、震度4の揺れとなって東京都を襲ったわけである。集中して球を見ていた緒里恵プロは、最初こそ気付かなかったものの、建物全体がゆっさゆっさと揺れるに至ってようやく気付いた。後で聞いたところ「このまま大地震になって、試合が中止になったらどうしようと」思っていたとのことである。ちなみに筆者は壁につかまりながらテーブル上の配球をしっかと観察。球はあきらかに揺れに合わせて動いていたが、結局のところ配球に問題は無し。立て直す必要は全く無かった。震度4なら大丈夫、球撞き続行!というのが、今のところの僕の結論である。
緒里恵プロは、この地震の直後見事に空クッションを決めてツーモア。大きな拍手の中、島田プロを下して決勝進出を決めた。
決勝。緒里恵プロの快進撃に会場は興奮気味。さぞかし森プロはやりにくかったろうと推察する。とはいえこの日の森プロは隙が無かった。
僕のメモには「……温和なムードを崩すこと無く、まことに森らしさを存分に発揮して着々と得点…」とある。
一方の緒里恵プロ、リードを広げられようとも集中を切らすこと無く、すっと背筋を伸ばして相手のプレーを見つめるまなざしは凛として涼やか。実にいい姿である。
そしてついに森プロがスリーモア。27対16である。ここから緒里恵プロが7点を撞いて27対23。見事であろう。さらに森プロ、ワンモアとしてから2キュー足踏み。ここで緒里恵プロがツーモアと肉迫。
さあこれでワンモアだというショットで、無情にも的球の直前でキス。
残り球を、森プロがきっちりと決めて優勝! 両者ともにベストを尽くした最高のゲームだった。これだから観戦はやめられない。